なぜバイクのエンジンには
- 単気筒
- 2気筒
- 4気筒
といろいろあるんでしょうか?
そしてその違いとは?
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気筒数と馬力の関係は?
エンジンの出力は、
トルク(爆発一回当たりの力)×回転数
で決まります。
おおむね同じ排気量ならトルクはあんまり変わりません。
つまり、なるだけ高回転にできれば馬力は上がるわけです。
だから馬力を上げたいときは高回転できるエンジンを作れば良いわけです。
回転数の限界
ところが回転数には限界があります。
エンジンのピストンは往復運動なので、往復する距離(ストローク)が長いとピストンスピードが上がり過ぎて限界が来ます。
おおむね15m/秒が限界といわれてます。
だからストロークはなるだけ短い方が回転が上がりやすいのです。
つまり同じ500ccの場合、単気筒だとストロークは大きくなりますが、4気筒だと気筒あたりストロークは短くなります。
だからおもいっきり高回転にしても大丈夫で、馬力を出しやすいわけです。
2気筒だとその中間です。
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単気筒、2気筒、4気筒の長所と短所
じゃあ、なんでもかんでも多気筒にすればいいかと言うと、それも一長一短です。
多気筒にすると構造は複雑になり部品も多く、当然重量は大きくなります。
一方、単気筒はシンプルで軽いです。
コストもおのずから単気筒の方が安く、多気筒の方が高くなります。
だから、重量がすこしぐらい増えても馬力が欲しいスポーツタイプや、大排気量のロングツアラーなどは多気筒の場合が多く、
軽快な取り回しや悪路の操縦性が重視されるオフロード車や、お値段重視の小排気量のバイクは単気筒になります。
バイクの振動にも関係
また、多気筒の場合馬力以外におおきなメリットがあります。
エンジンは往復運動なのでどうしても振動があります。
単気筒の場合、気筒あたりの容積も大きくかなりの振動が出るのは避けられません。
ところが多気筒の場合それぞれの気筒の爆発をずらすことにより、振動を打ち消すことができるのです。
2気筒やVツインも同様です。
BMWの水平対向エンジンなどは、理論上振動はゼロです。
これは長距離ツーリングなどの時のライダーの快適性にとっておおきな要素です。
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また多気筒の方が回転のつながりがスムーズになり、加速時の挙動が安定しエンストもなりにくいメリットもあります。
しかしおおむね多気筒の方が燃費が悪いのも事実です。
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まとめ
じゃあ、ロードスポーツは多気筒、オフロードは単気筒で決まり、かというとそうともいいきれません。
単気筒や気筒の爆発感覚や振動、軽さや地面をつかむようなグリップ感のある乗り味、そして単・2気筒ならではの排気音を好む人もたくさんいます。
ドカッティやKTM、ハーレーなど、Vツインや単気筒のロードスポーツタイプが絶大な人気を誇るのはそのせいです。
また、おおむね多気筒の方が馬力は有りますが、その高馬力と重量を自由自在にのりこなすにはそれなりのテクニックが要るのも事実です。
経験や体格に自身の無い場合は、ロードタイプでも2気筒ぐらいを選ぶのもおススメです。
そして、あるていど腕に自身はアル、なにしろ背中を蹴飛ばすような加速や最高速が欲しい、なんでもかんでもぶっちぎりたい。
という方はもちろん4気筒のバイクをお勧めします。