原付のエンジン始動時に「セル」と呼ばれるボタンを押してエンジンを掛けると思いますが、
この「セル」とは一体どういったものなのでしょうか?
この記事では「セル」の仕組みについてご紹介します。
また、セルを押してもエンジンが掛からない場合の原因や対処法も合わせてご紹介します。
スポンサーリンク
原付のセルとは?
原付のセルの正式名称は「セルフスターター」であり、「セル」とは「セルフスターター」の略語になります。
バッテリーに蓄えられた電気の力を利用してセルモーターを回転させ、その動力を利用してエンジンを始動させます。
原付のセルは多くの車種に搭載されていますが、多少なりともコストに影響を与えるので、
低コストを実現させた車種ではセルを搭載せず、キックスターターの仕様となっている場合があります。
■キックスターターについてはこちら
-
バイクのキックのコツや仕組みを紹介!エンジンがかからないときは?
続きを見る
エンジンの仕組み
本来ならエンジンはクランクシャフトが回転することによって外気を取り込み圧縮し、
ガソリンを燃焼させて小さな爆発を起こすことで動きますが、
エンジンを始動させる際には外部からクランクシャフトへと回転力を伝えなければ始動させることが出来ないのです。
その最初のきっかけを与える役割をセルモーターが担っているのです。
詳しいエンジンの仕組みはコチラでご紹介しています。
-
原付のエンジンの仕組みはたったの4つ!動作や構造を分かりやすく解説!
続きを見る
スポンサーリンク
セルでエンジンが掛からないときの主な原因と対処法
便利なセルスターターですが、エンジンがかからなくなることがあります。
その主な原因はいくつかあります。
バッテリーが劣化している
セルは電力によってセルモーターを回す必要があるので、
バッテリーが弱かったり完全に上がってしまっているとセルでエンジンがかかりません。
対処法
バッテリーが劣化している場合にはバッテリーを新品に交換するか、バッテリーに充電を行います。
■合わせて読みたい
-
原付のバッテリーの充電と交換方法を解説!時期はどのくらい?
続きを見る
セルスターターボタンの接触不良
セルスターターボタンは電極同士が触れることで電気を伝えるスイッチとなっているので、
接触不良となっているとセルでエンジンはかかりません。
対処法
エンジンスターターのボタンは湿気や埃によって腐食している場合があるので、
接点部への注油やグリスアップによって復活する場合が多いです。
レギュレータの故障
レギュレータとはエンジンが発電した電気を適切な電圧に変換し、バッテリーに充電する変換器のような存在です。
この部品が故障してしまうと、バッテリーが充電されず放電してしまいます。
対処法
レギュレータは複雑なパーツではありませんが、故障してしまうと交換しか手段はありません。
セルモーターの故障
肝心のセルモーターが壊れてしまうと、電気が伝わって来てもモーターが回らないので、エンジンがかかりません。
対処法
セルモーターが故障してしまうと、交換しか手段がありません。
スポンサーリンク
エンジンが掛からないときに試してみること
セルでエンジンを掛けたいけど掛からない場合でも、他の方法でエンジンがかかる場合があります。
エンジンが掛かる可能性がありますので試してみてください。
キックスターター
キックスターターを使用してエンジンを始動させます。
少しコツがいるので最初のうちは難しいかもしれませんが、コツをつかめばすんなり掛かるようになります。
詳しくはコチラでご紹介してますので、ご確認ください。
-
バイクのキックのコツや仕組みを紹介!エンジンがかからないときは?
続きを見る
押しがけ
原付を押しながらセルを押します。
原付を押すことによってクランクシャフトが回るため、その動力も使いエンジンを始動させるやり方です。
ココに注意
昔の原付ではセルでエンジンがかからない場合には、坂道で押し掛けをすることでエンジンを始動させることが出来ましたが、
最近の原付では電子制御化が進んでいることもあり、勢いを利用した押し掛けでエンジンを始動させることが不可能になっています。
燃料の確認
燃料が切れておりエンジンが掛からないパターンが意外と多いです。
燃料タンクの中を確認して燃料が入っているか確認しましょう。
まとめ
セルでエンジンがかからないときの原因と対処法をご紹介しましたが、バイクに詳しい人でないと原因を突き止めることはとても難しいです。
キックスターターでエンジンがかかるものや、押しがけができる原付バイクの場合は、
その方法で乗ることができますが、セルのみしかエンジンがかからないものは、バイク屋に持っていくことをおすすめします。